切なく、ノスタルジックな大人のアニメ。「イリュージョニスト」
場末の劇場やバーで手品を披露していた老手品師のタチシェフは、スコットランドの離島にやって来る。この辺ぴな田舎ではタチシェフの芸もまだまだ歓迎され、バーで出会った少女アリスはタチシェフを“魔法使い”だと信じるように。そして島を離れるタチシェフについてきたアリスに、彼もまた生き別れた娘の面影を見るようになり……。
シルヴァン・ショメの素敵なアニメーション映画です。
まずは、淡いタッチで、美しく、どこかノスタルジックな映像に心を奪われます。
部屋でずっと流していたいほど。
ストーリーは、現実的で、切ないです。
主人公のタチシェフを魔法使いだと思いついてくる夢見る少女、その少女の期待に応えようと、稼げない本業だけでなくバイトもしながら少女の夢を壊さないよう頑張るタチシェフ。
そして訪れる少女への変化。
「魔法使いはいない」という手紙を残してタチシェフは去ります。
生き別れた娘のことに思いをはせながら。。。
タチシェフが、「僕のおじさん」で有名なフランスの映画監督のジャック・タチであること、ジャック・タチが娘に残した脚本であること、は映画を見終わった後で知りました。こういうことを頭に入れて観れば一段と切ないかも。。
★★★★★★★★★(9)