切なさ、味わい深さ。ラストの余韻にあり。「列車に乗った男」
銀行強盗を目論んだ中年男が、列車に乗って小さな町の駅に降り立つ。泊まる場所に困った彼は、元教授がひとりで暮らす屋敷に身を寄せる。男の計画を知った元教授は、その決行日が自分の手術と同じ日であると知り、ふたりには奇妙な友情を育まれる。
パトリス・ルコント作品。
実に、実に味わい深い。
「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」では男女間の愛情を描いていたのに対し、
この作品では完全に男と男の友情、そしてお互いの生き方が描かれています。
ルコントの作風とでもいうべきラストの余韻は
この作品でも健在ですね。
刺激と平穏、互いの生き方に惹かれる二人。
二人の人生が交錯するラストシーン。
切ない。
余韻にじっくり浸ってください。
個人的には「ほかには?」のパン屋さんのエピソードがほほえましい。
★★★★★★★(7)