物語・映像・音楽、そして世界観、全てが緻密な傑作「グランド・ブダペスト・ホテル」
ウェス・アンダーソンの2014年の作品。
ベルリン国際映画祭・銀熊賞やアカデミー賞4部門など数々の賞を受賞した名作品。
1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴは、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムDが殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロと一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。
緻密なシナリオと映像の美しさ、アンダーソンらしいセンスのいいセリフ回し、などこれまでのアンダーソン作品の魅力に加え、今回はミステリー要素も加わり、とても深みのある作品になっていると感じます。
1930年代と1960年代を中心に物語が展開されていきますが、その前後に1980年代と現代の設定もあり、4つの時間軸で構成されています。本を読む女性(現代)→その本の作家(1980年代)→作家が本を書くきっかけとなった老人との出会い(1960年代)→老人の若い頃の物語(1930年代)。実はそれぞれの年代で映像の縦横比がちょっとずつ違うなどのこだわりぶり。
今回はミステリー調に進んでいくので、ぐいぐい引き込まれていき、1時間40分もあっという間に過ぎていました。
個人的には雪山の滑走シーンに大ウケ(笑
ウェス・アンダーソンを代表する、間違いなく名作だと思います。
★★★★★★★★★★(10)
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